勇気をもらった物語たち

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心にひびいた漫画たちを紹介していきます。たまに日常や生きてて思ったこともかきます。

【ネタバレ感想】ここは今から倫理です。1巻 | 悩み苦しみ考え抜く人を心から尊敬したい。

ここは今から倫理です。1巻 雨瀬シオリ

ここは今から倫理です。 1【電子書籍】[ 雨瀬シオリ ]

 

高校での倫理の授業をベースに話が展開する漫画『ここは今から倫理です。』

 

生きてる中で頭にふと浮かぶ疑問、悩み、不安。

とことん向き合い考え抜く、苦しむことを肯定してくれる漫画だなと感じました。

 

私が考えこむ性格だからそう思うのかも。笑

 

※この先少しのネタバレ・画像ありです。

 

 

 

「ここは今から倫理です。」のあらすじ

高校教師の高柳先生と、倫理を選択する生徒を中心に展開するストーリー。

それぞれ問題や屈折した想いを抱えている生徒たち。

 

1人1人が抱えている悩みや事情に対して、偉人の言葉を引用して

「1つの考え」を投げかける高柳先生。

明確な答えじゃなくてあくまでも倫理的な考えという感じで話してる。

だからこそ、考えさせられる。 

 

オムニバス形式の1話完結で、1話ごとに倫理の教科書みたいな内容です。 

以前メインだった生徒が後の話で登場したり、

それぞれのキャラの成長も楽しみだったりします。

 

1巻 各話ごとの感想

11話がホントに心に残ります。

その中でも特に印象的だったのは、私は4話だったなあ。

 

1話

素行不良で誰もいない教室でエッチな行為をしたりもする

女の子・逢沢さんが中心の話。

 

ここは今から倫理です。1巻の画像

逢沢さん

ここは今から倫理です。1巻から抜粋 

 

「倫理ってなに」と言う話もあります。

 

「ー倫理はー学ばなくても将来 困ることはほぼない学問です

 

この授業で得た知識が役に立つ仕事は ほぼ無い

この知識が役に立つ場面があるとすればーーーー

死が近づいた時とか

 

倫理は主に 自分がひとりぼっちの時に使う」

 ここは今から倫理です。1巻から抜粋

 

高校生の時にこれ学びたかったな!

 

高柳先生を誘惑して「教養がないから問題外(要約)」と

煽り気味に注意された逢沢さん。

(こう書くと誤解されそうだけど教師としての生徒を思いやる注意でした!)

 

「先生ってみんな字がキレイ」

ペン習字のテキストを買ったり、先生の注意を素直に聞いたり

少しずつ変化が出てきて…

 

同じく素行の悪い男子たちの誘いを断るようになって、

無理やりコトに及ぼうと襲われてしまう。

それを助けたのは高柳先生。

 

「…貴方が…

倫理の授業を選んでくれてよかった

 

倫理は人の心に触れ 自分の心に触れてもらう授業です

 

貴方の頭をなでて慰める事はセクハラになってしまいますが…

貴方の言葉を聞き 貴方の心に触れ

慰める事は出来る…」

 ここは今から倫理です。1巻から抜粋 

 

倫理って何?のとっかかりになるお話。

逢沢さんも素直ないい子で、この後の話にもたびたび登場します。

 

2話

周りの人や自分の親さえも「くだらない」と感じてしまう

酒井さんのお話。

 

人に対して、

「なんでこんなこともわからないの?」と思ってしまって

苛立ったりする というのはわからないでもない。

 

だけど知識として知っていることと、人として心で感じることは全然違う。

 どうして死にたいなんて思うの?わからない。

 

 

私もわからないです…まだ死ぬことを本気で考えた事はない。

 

「…"なんといっても 最上の証明は経験だ"

フランシス・ベーコン

  ここは今から倫理です。1巻から抜粋 

 

 

3話

いじめられた経験から、「いじめられっ子に寄り添える先生になりたい」

と考えるようになった谷口くんが主役のお話。

 高柳先生を「やっと見つけた理想の先生」と考えるも

すぐ幻滅する。笑

 

自分の理想や、悪と考えるものを明確に分けてしまったら、

いつか自分が誰かにとっての悪になってしまうかも。

怖いです。私だって自分の考えを通そうとする事で誰かを傷つけるかもしれない。

 

個人個人が独自の考えを持つ中で、

平等に人を信じて救うなんて

教師って大変だ!!!と感じた話でした。

 

4話

カバンの中身をぶちまけられて、イスでその相手を殴った

本田さんという女の子がメイン。

 

この子に一番共感してしまった。

倫理の授業が好きなところも好感。

 

人間の心は本当にすごいなあと

ちょっと感動しています…

  ここは今から倫理です。1巻から抜粋 

 

本田さんの話を聞いて高柳先生が発したこの一言が

すごく私にとっては救いになりました。 

 

5話

倫理の授業中、どうしても眠ってしまう

間くんのお話です。

家に帰っても誰もいなくて、夜は仲間とつるんでて、

寝る時間がむちゃくちゃだから。 

 

一見ただの悪い生徒にも見えるけど、その理由は…という話です。

 

高柳先生が電話で間くんに語りかけるまで、

私は彼が抱えてるものが何かわからなかったなあ。

話してそれがわかる先生すごい。 

 

あとがきが心に響く

あとがきには、作者の雨瀬シオリさんのおばさんについての話がありました。

鬱で自殺をしてしまったおばさんの話。

自殺の後に見つかった、付箋だらけの倫理の教科書とノート、

彼女が必死に「生きようとした証」だったと。

 

『みんなすぐに彼女の自殺を「うつ病だったからね」の一言で済ますけどーー』と

作者さんも書いていて、

本当に本当にこのあとがきを読んで、心が震えました。

普通の表現しかできなくて申し訳ないけれど。。。

 

人は失敗や、負の側面って隠したがるし掘り下げない。

恥ずかしいものだとやっぱりちょっと思ってしまうし…、それを見て心ない言葉を浴びせられるかもしれないから。

でも、悩みとか葛藤、失敗や挫折って、

真剣に生きている証だと本当に思います。

 

私は雨瀬シオリさんのおばさんを心から尊敬しますし、

惜しい人が亡くなってしまった、と本当に思います。

 

こんな見ず知らずの人間が偉そうなことを言ってすみませんですが…

 

 

とにかくおすすめ。生きることを考えさせられます

わたしも高校の時、こんな倫理の授業に出会っていたらなぁ。絶対熱心に聞いた!

ストーリーの合間の高柳先生の授業も面白くて、それだけでも一読の価値ありです。

 

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